数あるタイの音楽賞の中でも、独自の視点で優れた音楽を選ぶことで定評のあるコム・チャット・ルック・アワード。
その第13回目の授賞式が3月22日、戦勝記念塔にほど近い場所にあるKing Power Complexにある劇場「アクサラ・シアター」で開催されました。
昨年は仕事と重なってしまい、残念ながら現場で見ることが出来なかったのですが、今年は上手い具合に授賞式開催日が休みになり、いつもお世話になっているそむちゃい吉田さんのご配慮もあって、念願の会場での授賞式の模様を見ることができました。
今回の個人的な注目は何と言っても、楽曲部門・作詞部門・編曲部門・最優秀女性歌手部門の4部門にノミネートされたフォン・ラッダーワンでした。
そして結果から言ってしまうと、女性歌手部門は逃したものの、楽曲関連では全て受賞という、まさに独占と言っても良い、最高の結果でした。
◆受賞直後のフォン・ラッダーワン
はっきり言って、フォンそして今回受賞対象になった「ターン・ファン・サーオ・バンノーク(田舎娘の夢の路)」という曲に関してはタイでも知る人はまだまだ一部だけでしょう。
「ターン・ファン・・・」は一時期、あるラジオ・チャートでも上位に食い込むなど健闘をしていましたが、大ヒットという感じではありませんでしたし、フォンに関しても人気のバロメーターと言えるコンサート数でもまだ全然少ない方です。
そんな知る人ぞ知る曲を、セールスなどに関係なくちゃんと曲の良さで評価をするコム・チャット・ルックはさすがです。
◆受賞の対象になった曲「ターン・ファン・サーオ・バンノーク」
◆「ターン・ファン・・・」が収録されたフォン・ラッダーワンの同名のアルバム
◆授賞式前のロビーでフォンを見つけ、突進していく節操の無い筆者(笑)
◆「今日はステージで歌うの?」とフォンに聞いたら「歌う」と言っていたのですが、残念ながら歌ったのはロビーでちょこっとだけでした。ただ、初めて聴いたフォンの生の歌声はやはり素晴らしいものでした。
最優秀女性歌手を逃してしまったのは本当に残念ですが、ゲーウファーやチンタラーといったキャリアが遥かに上の人たちの中では、当然と言えば当然でしょう。
もし、ここでも受賞したら本当に奇跡でしたけど。ただ、ノミネートされるだけでも本当にすごいことなんですよね。
ルークトゥンの世界には沢山の歌手がいますが、その中のたった5人の中に選ばれている訳ですから。それに、フォンなんかキャリア的にはまだまだ若い歌手なのに(なんせ、昨年は新人賞にノミネートされていたくらいですから)。
◆最優秀楽曲賞発表の瞬間。フォンの隣は作詞・作曲を担当したソムチャーイ・トルピマーイ氏。
◆受賞式終了後、フォンが所属するイサーン・エンターテイメントの方々と、作詞・作曲のソムチャーイ氏、編曲を担当したヂラワーン・パーンプム氏(向かって左から3人目のトルフィーをもった白い服の人)
偶然にも当ブログで、昨年(2015年)最高のアルバムとして挙げていたものに収録されていた曲が、タイでも2015年最高の曲として選ばれたのは本当に嬉しかったです。
それにフォンはまだまだこれからの歌手ですが、これをキッカケに知名度が高まる事を期待しています。出来れば、バンコクにコンサートで来てくれる嬉しいな。
最後にオマケですが、2015年世間的にもっとも注目を集めた曲と言えば、ゴン・フアイライの「サイ・ワー・シ・ボ・ティム・ガン」ですよね。
今回のコム・チャット・ルック・アワードではノミネートこそされなかったものの、やはり2015年を象徴する曲という意味だったのでしょうか、オープニングでサプライズ(と思っていたのは僕だけかも知れませんが)として、生歌を披露してくれました。
当日の会場は歌手や関係者がほとんどだったのですが、多くの人がサビの部分で手を振ってゴンを応援していたのが印象的でした。
◆ゴン・フアイライ/サイ・ワー・シ・ボ・ティム・ガン@コムチャットルック・アワード(2015年3月22日)
授賞式とその他の賞に関しては、タイランドハイパーリンクスのコラムの方で取り上げようと思っています(やる気があればw)。