今、タイで一番熱い男2人を紹介したいと思います。
1人は「カムペーン(คำแพง)」という曲が、インディーでありながらYouTubeでの再生回数2億回(2017年4月現在)を超える大ヒットとなっているセック・チュムペー(แซ็ค ชุมแพ)。
もう1人は、こちらもインディーながら再生回数1億回を超えるヒットとなっている「ペンディンワイ・ナイ・ヂャイ・アーイ(แผ่นดินไหวในใจอ้าย)」を歌っているター・トーヂョーウォー(ต้าร์ ตจว)です。
どちらの曲も、今タイでコンサートに行けば99.99%誰かが歌っているほどの特大ヒットになっています。
特にセックの「カムペーン」にいたっては、バンコク中心部のショッピングモールでBGMで流れてくるほどの人気ぶり。彼はテレビにも引っ張りだこで、朝の情報番組にまで顔を出したほどです。その人気は一時期のゴン・フアイライを連想させられます。
そんな2人の人気っぷりを現場で確認してきましたので、お伝えしたいと思います。
まずはター・トーヂョーウォーから。
◆ター・トーヂョーウォー@タラート・キンコーン、バンプリー(2017年2月12日)
彼はご覧の通り、決して若い歌手ではありませんし、見た目もあまり華を感じない、普通のおじさんのような風貌なので、最初は何でこんな人がやたらと色んな所でコンサートをやってるんだろうと思っていました。
2月にバンプリーでペット・サハラットのコンサートがあったので、それを観に行ったのですが、その時ペットの前にステージに上がったのがター・トーヂョーウォーでした。
前述のように、自分は「誰、この人?」状態だったのですが、ターが登場するなり若い子たちがいっせいにステージ前に群がって来たのにはビックリしました。
しかし、その時歌っていた曲を聴いて「どこかで聴いた事あるなぁ」と思っていたら、それが今、大ヒットしている「ペンディンワイ・ナイ・ヂャイ・アーイ」でした。後々調べたら、自分が持っているMP3「イサーン・インディー」に入っていたという・・・w(【ディスク・ライブラリー#18】MP3「イサーン・インディー」)。
◆ター・トーヂョーウォー/ペンディンワイ・ナイ・ヂャイ・アーイ(2017年2月12日)
◆ター・トーヂョーウォー/ペンディンワイ・ナイ・ヂャイ・アーイ(心の中で起こった地震)
ただ、彼はこの歌でブレイクしたもののキャリアは長い人のようで、以前はアサニー・チョーティクン(アサニー&ワッサン)のレーベル「サハパープ・ドントリー(Music Union)」に所属していて、数曲オリジナル曲をリリースしていました。
多分、その頃にもターの名前は目にしていたかもしれませんが、全然意識してませんでしたので、いまいち記憶にありません。
しかし、曲を書いているのがワス・ハーウハーン先生というのは、なかなかの好待遇ですね。
◆ター・トーヂョーウォー/カーイ・マレーン・テン・ミア(虫を売って嫁を娶って)
◆ター・トーヂョーウォー/ナックローン・インディー(インディーの歌手)
サハパープ・ドントリーを抜けた後、再びインディーに戻り、今回のブレイクとなる訳ですが、キャリアがあるだけあって歌や演奏もこなれていて、途中ギターをピンに持ち替えて演奏する場面もあり、なかなか見応えのあるステージを披露してくれました。
ちなみにトーヂョーウォーというのは「タン・ヂャンワット(ต่างจังหวัด)」の略で、(首都以外の)地方という意味です。
◆ター・トーヂョーウォー/ルア・コーン・チャート、シ・カートヂャイ(2017年4月に公開された新曲)
そして、もう1人の熱い男のセック・チュムペーですが、彼は名前の通り、コンケーンのチュムペー出身の青年です。
昨年末頃から「カムペーン」が盛り上がり始め、今年に入りバンコクでのコンサートが増え始めていたセックですが、なかなか観に行くタイミングが合わず、ようやく本人に会えたのが3月31日のテレビ番組の収録ででした。
◆Ch7のテレビ番組「ギック・ドゥー(กิ๊กดู๋)」の収録@Workpoint Studioにて。共演のラムヤイ・ハイトーンカムと。(2017年3月31日)
初めて会うセック本人は細身の長身で、予想以上の好青年でした。
年齢に関する情報が無かったので、本人に直接確認した所、現在22歳との事。若いですね。
ちなみに、「カムペーン」というのはイサーン語で「最愛の人」という意味です。
◆セック・チュムペー/カムペーン
テレビでの収録でも生歌を1曲披露してくれましたが、パワフルな歌声が素晴らしかったです。
ただ、1曲だけでは歌手としてのポテンシャルは捉え難いのが事実。という訳で、同じ日にバンコクで彼が出演するコンサートがありましたので、観に行ってきました。
この日はセックの他にアーム・チュティマーとオーイローも出演するという事で、気分的にもどことなくリラックスした雰囲気。
舞台に上がる前のセックに挨拶すると、昼間会ったばかりという事もあって、さすがに憶えていてくれてました。
◆セック・チュムペー@サパーディン(2017年3月31日)
改めて生バンドをバックに聴くセックの歌声は、テレビ局で聴いた時よりもパワフルさが増しているように思いましたね。
彼はとにかく前のめりに歌うタイプなので、観ている方もグイグイ引き込まれていきます。
それにハンサムで笑顔でのファン対応となると、女性が夢中になるのも無理ありません。この日も終始、黄色い声援が飛び交っていました。
◆セック・チュムペー@サパーディン-1(2017年3月31日)
セックももちろんター・トーヂョーウォーの歌を歌っています。
本家のマイルドな感じの歌とはまた違った迫力のある歌い方で、同じ曲がまた違ったイメージに聴こえてきますね。
◆セック・チュムペー/ペンディンワイ・ナイ・ヂャイ・アーイ@サパーディン-2(2017年3月31日)
モーラム系を歌わせてもなかなかのもの。
ただ、今回は歌謡モーラムだけだったので、追々は本格的なモーラムも期待したいものです。
◆セック・チュムペー/グラープ・デーン~30・ヤン・ヂェウ~メーハーン・マハー・サネー@サパーディン-3(2017年3月31日)
もしかしたら、セックは一発屋で終わるかもしれませんが、ステージでは人を引きつけられる力は充分あるので、ステージ歌手としての息は長く続くかもしれません。
曲が売れているだけでなく、歌手・ミュージシャンとしてのポテンシャルも高いこの2人。
しばらくはコンサートに引っ張りだこの状態が続きそうです。
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