2016年3月23日水曜日

【おめでとう!フォン・ラッダーワン】第13回コム・チャット・ルック・アワードでフォンの曲が独占!

数あるタイの音楽賞の中でも、独自の視点で優れた音楽を選ぶことで定評のあるコム・チャット・ルック・アワード。

その第13回目の授賞式が3月22日、戦勝記念塔にほど近い場所にあるKing Power Complexにある劇場「アクサラ・シアター」で開催されました。

昨年は仕事と重なってしまい、残念ながら現場で見ることが出来なかったのですが、今年は上手い具合に授賞式開催日が休みになり、いつもお世話になっているそむちゃい吉田さんのご配慮もあって、念願の会場での授賞式の模様を見ることができました。

今回の個人的な注目は何と言っても、楽曲部門・作詞部門・編曲部門・最優秀女性歌手部門の4部門にノミネートされたフォン・ラッダーワンでした。

そして結果から言ってしまうと、女性歌手部門は逃したものの、楽曲関連では全て受賞という、まさに独占と言っても良い、最高の結果でした。

◆受賞直後のフォン・ラッダーワン

はっきり言って、フォンそして今回受賞対象になった「ターン・ファン・サーオ・バンノーク(田舎娘の夢の路)」という曲に関してはタイでも知る人はまだまだ一部だけでしょう。

「ターン・ファン・・・」は一時期、あるラジオ・チャートでも上位に食い込むなど健闘をしていましたが、大ヒットという感じではありませんでしたし、フォンに関しても人気のバロメーターと言えるコンサート数でもまだ全然少ない方です。

そんな知る人ぞ知る曲を、セールスなどに関係なくちゃんと曲の良さで評価をするコム・チャット・ルックはさすがです。

◆受賞の対象になった曲「ターン・ファン・サーオ・バンノーク」


◆「ターン・ファン・・・」が収録されたフォン・ラッダーワンの同名のアルバム


◆授賞式前のロビーでフォンを見つけ、突進していく節操の無い筆者(笑)

◆「今日はステージで歌うの?」とフォンに聞いたら「歌う」と言っていたのですが、残念ながら歌ったのはロビーでちょこっとだけでした。ただ、初めて聴いたフォンの生の歌声はやはり素晴らしいものでした。

最優秀女性歌手を逃してしまったのは本当に残念ですが、ゲーウファーやチンタラーといったキャリアが遥かに上の人たちの中では、当然と言えば当然でしょう。

もし、ここでも受賞したら本当に奇跡でしたけど。ただ、ノミネートされるだけでも本当にすごいことなんですよね。

ルークトゥンの世界には沢山の歌手がいますが、その中のたった5人の中に選ばれている訳ですから。それに、フォンなんかキャリア的にはまだまだ若い歌手なのに(なんせ、昨年は新人賞にノミネートされていたくらいですから)。


◆最優秀楽曲賞発表の瞬間。フォンの隣は作詞・作曲を担当したソムチャーイ・トルピマーイ氏。



◆受賞式終了後、フォンが所属するイサーン・エンターテイメントの方々と、作詞・作曲のソムチャーイ氏、編曲を担当したヂラワーン・パーンプム氏(向かって左から3人目のトルフィーをもった白い服の人)

偶然にも当ブログで、昨年(2015年)最高のアルバムとして挙げていたものに収録されていた曲が、タイでも2015年最高の曲として選ばれたのは本当に嬉しかったです。

それにフォンはまだまだこれからの歌手ですが、これをキッカケに知名度が高まる事を期待しています。出来れば、バンコクにコンサートで来てくれる嬉しいな。

最後にオマケですが、2015年世間的にもっとも注目を集めた曲と言えば、ゴン・フアイライの「サイ・ワー・シ・ボ・ティム・ガン」ですよね。

今回のコム・チャット・ルック・アワードではノミネートこそされなかったものの、やはり2015年を象徴する曲という意味だったのでしょうか、オープニングでサプライズ(と思っていたのは僕だけかも知れませんが)として、生歌を披露してくれました。

当日の会場は歌手や関係者がほとんどだったのですが、多くの人がサビの部分で手を振ってゴンを応援していたのが印象的でした。

◆ゴン・フアイライ/サイ・ワー・シ・ボ・ティム・ガン@コムチャットルック・アワード(2015年3月22日)


授賞式とその他の賞に関しては、タイランドハイパーリンクスのコラムの方で取り上げようと思っています(やる気があればw)。

2016年3月11日金曜日

【コンサート定番曲#5】ラック・ディアオ(รักเดียว)

「ラック・ディアオ(รักเดียว)=愛、一筋」は、ポンシット・カムピー(พงษ์สิทธิ์ คำภีร์)の2001年のアルバム「タイ・ドゥアン・タワン(ใต้ดวงตะวัน)」に収録されている曲です。


15年前の曲ですが、今でも人気がある曲です。

この曲が発表された当時のこの曲の人気度はどれほどのものだったのかは分かりませんが、自分がタイに来てコンサートを観るようになってから、いたる所で頻繁に耳にする大人気曲です。


◆พงษ์สิทธิ์ คำภีร์(ポンシット・カムピー)/รักเดียว(ラック・ディアオ)


「愛、一筋」なんて身も蓋もない単刀直入なタイトルですが、カムピーがこんな曲を作ったのかと思うと、つい笑ってしまいます。

というのも、以前読んだ前川健一さんの本「まとわりつくタイの音楽」にはカムピーの事が少し触れられていて、そこにはカムピーは奥さんがいるにも関わらず愛人も沢山いると書かれていたからです。

しかも、「愛人は沢山いるけどまだまだ欲しい」と豪語していたらしいです。まぁ、どこまで本当かは分かりませんが。

そんなカムピーが「愛、一筋」とは・・・。

でも、このタイトルの意味は決して1人の女性だけを愛するという意味ではないかも知れないので、そう考えれば納得も出来ますけどw

コンサートではとにかく有名無名に関わらず沢山の人が歌っていて、タイでは若者向けにとりあえずこの曲を歌っておけ、的な鉄板曲になっています。

動画は2月28日、ナムデーン市場でのコンサートでゴン・フアイライが歌ったヴァージョンです。

ゴン+人気曲ということもあって、現場はちょっとしたパニック状態ですごかったです。

◆ก้อง ห้วยไร่(ゴン・フアイライ)/รักเดียว(ラック・ディアオ)


オリジナルが男性なので、歌うのはほとんど男性歌手ですが、少ないながらも女性歌手も歌っていて、ブア・ガモンティップは常にコンサートのレパートリーにこの曲を入れています。

通常はポップなアレンジで歌っているブアですが、1月30日の金城でのコンサートの時はアコースティック・セットで歌っていて、これがなかなか素晴らしかったです。

◆บัว กมลทิพย์(ブア・ガモンティップ)/รักเดียว(ラック・ディアオ)


ミディアムテンポの曲ですし、日本人がカラオケで歌うのには歌詞もそれほど難しくないので、歌えるようになれば、タイ人にも結構受けるかも知れませんね。

2016年3月3日木曜日

【音楽天国タイランド】第25回目の記事とラムヤイのテレビ出演リポート

お知らせが遅くなってしまいましたが、タイランドハイパーリンクスに連載しているコラム「音楽天国タイランド」を先週土曜日に更新しました。

今回はちょっとした騒ぎになってしまったラムヤイ・ハイトーンカムについて書きました。

◆音楽天国タイランド 第25回目「ラムヤイ・ハイトーンカム:実力派18歳はヂャ・カンフーを超えるか」



仕事はかなり増えてきていたものの、つい最近までは知る人ぞ知る存在だったラムヤイがいきなり表舞台に引っ張り出されての大騒ぎは単なる1ファンの僕も困惑してしまいました。

しかも、僕が撮った写真がキッカケになった事は本来だったら嬉しいことなんですが、この騒動でラムヤイに向けられた言葉が決して好意的なものだけではなかった事で、ラムヤイに写真を送った事をすごく後悔したりもしました。

正直、なぜあの写真があんなに騒がれたのかが未だに分かりません。

今回のコラムを書くにあたって、以前撮った他のラムヤイのコンサート写真を見返していたのですが、あれよりも過激な写真は沢山ありました。

そう考えると、ルークトゥン・モーラムを取り上げないメディアがたまたま投稿された写真を見て、興味本位で取り上げ、ルークトゥン・モーラムを知らない人たちが見たことでそれが一気に拡散してしまったのではないかな、と。

コラムにも書きましたが、ラムヤイのやっている事はラムシンでは特別珍しい事ではありません。確かに年齢的な事もありますが、そんなに騒ぎ立てる事では無いと今でも思います。悪い事している訳でもありませんし。

ただ、こうなる前にこのブログでは一足先にラムヤイを紹介していましたが、その時にも「何かのキッカケがあれば一気に人気は出る」と書いていました。

しかし、それがこんなに早く現実になってしまうとは・・・。嬉しいよりも、ラムヤイが遠くに行ってしまったようで、ちょっと寂しい気持ちの方が大きいです。

でも、もし自分がラムヤイという歌手をフォローして、写真を撮ったりしていなければ、もう少しゆっくり人気が出て行っていたのではないかと考えると、ラムヤイにとって僕と知り合ったことが良いことだったのか、と考えてしまいます。

◆2016年1月31日、サゲーガムでのコンサートより。例の写真よりこっちの方が遥かにまずいよね(笑)





今回の騒動でラムヤイは熱心に通っていた学校を変わらざるを得なくなったりしてしまいましたが(彼女は学校で伝統音楽を学んでいる)、マイナス面と同時にプラス面を沢山ありました。

何よりもそこら辺の無名歌手の名前と顔を多くの人に知れ渡ったのは大きいでしょう。

この騒ぎはネットだけで終わるかと思っていたら、なんとテレビにまで出演する事になってしまいました。

その辺りの事はコラムの最後の方でチラッと触れましたが、このブログではもうちょっと詳しくお伝えしたいと思います。

まず最初のテレビ出演はCh8の朝の番組「パーク・ポーン(ปากโป้ง)」でした。この時の番組内容については、そむちゃい吉田さんが詳しく書いてくれています。

◆【タイ】ネット上で突然の脚光、心無い批判で退学、若手歌手がトーク番組で涙



この番組の中で、ラムヤイはステージでやっている事の意味や今回の騒動で学校を退学せざるを得なくなってしまった事などを語っています。

ただ、僕は一部半信半疑な所もあります。ステージでエロティックな事をするのは、無名歌手が仕事を得る為にはせざるを得ない、という事を言っていたというのですが、ラムヤイのステージを観る限りではそれはあくまでも表向きの事で、実際はやはりラムヤイ自身が歌うことが好きという事が大きいと思います。

この番組の本番が始まる前、ちょっと長めの打ち合わせを司会者としていたので、演出としてそう話すように言われた事も考えられます。これは自分の想像ですけど。

◆ปากโป้ง/ลำไย ไหทองคำ หมอลำซิ่งสุดเซ็กซี่/ช่อง8 (24 ก.พ. 2559)


Ch8はRS系の放送局だったのですが、この後同じ日に出演したもう一つの番組もRS系のCh2でした。

こちらのはゴシップ系の話題を得意とする番組。日本で言うとワイドショー的な、いやらしい目線で視聴者の興味をそそるように作れらていて、インタビューの内容もそんな感じでした。



Ch8からCh2に移動する途中、ラムヤイは体調を崩してしまい(朝から体調が悪いと言っていた)、途中街中のクリニックで2時間ほど横になるなど、傍から見たらとても仕事など出来る状態ではなかったのでした。

そんな中1時間近いインタビューを受けていて、見ていて本当に気の毒でした。

実際に使われたかどうか分からないのですが、インタビュアーの指示で「第2のヂャ・カンフー」にならって、最後にはヂャの曲で踊らされていたラムヤイ。

終わった後、椅子にへたり込んでしまい、ゼーゼー言っていたのは、傍にいて本当に辛かったです。

◆เปิดอก ลำไย ไหทองคำ ฉายา จ๊ะ คันหู2/ตัวจริง เสียงจริง/ช่อง2 (24 ก.พ. 2559)



◆収録に最後にヂャR-Siamの曲で踊らされていたラムヤイ


翌日2月25日は朝8時ちょっと前からCh9に出演。

こちらはタイで大人気のタレント「ウッディー」が司会をしている番組というのと、彼の話運びが上手い事もあって、前日の2つの番組とは全く違った明るい雰囲気で進行。




約15分ほどと短めの出演ではあったもの、歌のパートもありましたし(口パクでしたが)、キッカケがどうであれ、この番組に出演できた事はラムヤイにとっても良かったのではないでしょうか。

実際、番組終了後、ラムヤイは前日からは考えられないほど明るい表情で話をしていましたし。

◆ตื่นมาคุย/ช่อง9 (25 ก.พ. 2559)


この他にもいくつものテレビ番組に出演したラムヤイ。

これから大きいコンサートも予定されていますし、この騒動がどういう風に収束するのか、どういう結果を生むのかは、もう少し様子を見る必要があります。

ただ、一つだけ言えることは先にも言ったように、ラムヤイのやっている事は決して特別ではないし、悪い事でもありません。彼女は今後もこのスタイルを変えることはないでしょう。

しかし、そんなことも分からず1回観ただけで、いかにも分かったような口ぶりで、世間にならって「ラムヤイのやっている事はけしからと思った」などとほざいている人もいますが、そんな人は物を知らない、ポリシーが無い、自分の頭で考える事が出来ないだけの人です。

「タイの音楽」がどのように形成されているのか、というのをしっかり見ることが出来ていれば、ラムヤイがどういうポジションの歌手なのかが分かるはず。

大体、ラムヤイよりも過激な事をやっている歌手は他にもいます。1年前に初めて見たプーニムはラムヤイよりも遥かに過激でした。

今回のラムヤイの件は、たまたまメディアに見つかって、それが注目されたに過ぎません。

これはラムヤイにとってまだ序章であり、「歌手」ラムヤイ・ハイトーンカムのスタートはこれからです。