【Artist】เพชร สหรัตน์(ペット・サハラット)feat.บัวผัน ทังโส(ブアパン・タンソー)、แพรวพราว แสงทอง(プレーウプラーウ・セントーン)、เอม อภัสรา(エーム・アパサラー)、มดแดง จิราพร(モッデーン・ヂラーポン)、เนย วรัญญา(ヌーイ・ワランヤー)、บ๊อบบี้ วง3.50&หนุ่ม หนุมาน(ボビー3.50&ヌム・ハヌマーン)
【Title】หมัดเด็ด(マット・デット)
【Release Date】25 พ.ย. 2559(2016年11月25日)
ルークトゥンモーラムに限らず、タイ音楽の面白い部分の一つに、様々なコラボレーションが頻繁に行われる所にあると自分は思っています。
日本も以前ほどではないものの、やはりレコード会社の壁というのは今もあって、コスト面などからも所属の壁を越えての共演というのは、まだまだハードルが高いでしょう。
タイでもグラミー・ゴールドとR-Siamの歌手がレコーディングで共演するという事はありえませんが(コンサートなどではある)、日本に比べたら遥かにフットワークは軽いです。
そんな数あるコラボレーションの中でも、極めつけのアルバムが出ました。それがペット・サハラットの最新作「マット・デット」です。
このアルバムで共演しているのは皆トップライン所属の歌手なので、所属を越境しての共演という訳ではありませんが、何て言ったってメンツが凄いです。
このコラボレーションに関しては8月頃に「BIG FEAT PROJECT」と銘打った最初のアナウンスがありましたが、それを聞いた瞬間唸りましたね。
その時は、それがアルバムとして発売されるものなのかは分かりませんでしたが、色々あって10月31日という当初の予定より1ヶ月ほど遅れたものの、こうして無事CD・VCDという形でリリースされました。
◆BIG FEAT PROJECTの告知
それにしても、同じレコード会社の所属歌手だけでこれだけの顔ぶれが揃えられるのですから、トップラインは凄いです。
このメンツで期待するな、って言う方が無理でしょう。
そして、その期待にしっかりと応えてくれた最強のアルバムを、ペット・サハラットは作ってくれたと思います。
今、これほどの充実した音楽を作れるのは、タイのすべてのミュージシャンを見渡しても、彼くらいしかいないでしょう。
それでは、共演歌手ごとに収録曲を見ていきたいと思います。
【feat.ブアパン・タンソー】
2.สี่ดอก(シー・ドーク)
10.ไข่ฮ้างฮัง(カイ・ハーン・ハン)
ブアパンとペットは、既にペットのトップラインからの2枚目のアルバムに収録されている「カーロム(คารม)」で共演済みです。
そのせいもあって、どことなくリラックスした雰囲気も感じられる今回の2曲。
「シー・ドーク」はその「カーロム」を彷彿させる、アップテンポのノリの良い曲調になっています。
もう1曲の「カイ・ハーン・ハン」はスローの曲。ブアパンとペットの声のコントラストが、上手く活かされた曲になっていると思います。
◆เพชร สหรัตน์ feat.บัวผัน ทังโส/สี่ดอก
◆เพชร สหรัตน์ feat.บัวผัน ทังโส/ไข่ฮ้างฮัง
【feat.プレーウプラーウ・セントーン】
3.ปล่อยน้ำใส่นาน้อง(プローイ・ナム・サイ・ナー・ノーン)
11.ย้านเขาซังอ้าย(ヤーン・カオ・サン・アーイ)
「プローイ・ナム・サイ・ナー・ノーン」はこのプロジェクトから1番最初に世間に公開された曲です。
今やラムシン歌手として1番人気とも言える旬のプレーウプラーウと共演したこの曲は、今やコンサートに行けば必ずと言って良いほど歌われている大人気曲。
ペットはプレーウプラーウに「プア・パイ」という曲を書いているので、決して珍しくはありませんが、見事にはまった組み合わせです。
もう1曲の「ヤーン・カオ・サン・アーイ」は、ペットは歌っておらず、プレーウプラーウのソロ曲になっています。
ソロ曲を与えられているのは彼女だけで、そこからもプレーウプラーウは別格扱いなのが、うかがい知れます。
◆เพชร สหรัตน์ feat.แพรวพราว แสงทอง/ปล่อยน้ำใส่นาน้อง
◆เพชร สหรัตน์ feat.แพรวพราว แสงทอง/ย้านเขาซังอ้าย
【feat.エーム・アパサラー】
6.ครกขาดสาก(クロック・カート・サーク)
9.จับมือกันหย่าง(ヂャップ・ムー・ガン・ヤーン)
「永遠のエッベウ(日本語のぶりっ子に当たる言葉ですが、タイでも今や死語w)」で連想するのは、チンタラー・プーンラープですが、個人的にはエーム・アパサラーもチンタラーに負けず劣らず、まだまだエッベウという言葉が似合う人だと思っています。
そのエームとの競演曲もアップテンポとスローの曲の2曲になっています。
「クロック・カート・サーク」はモーラム系の曲では定番のリフが楽しい曲。もう1曲の「ヂャップ・ムー・ガン・ヤーン」は歌詞通り哀愁が漂う曲になっていて、どちらもエームのキュートさが良く出ている曲になっています。
◆เพชร สหรัตน์ feat.เอม อภัสรา/ครกขาดสาก
◆เพชร สหรัตน์ feat.เอม อภัสรา/จับมือกันหย่าง
【feat.モッデーン・ヂラーポン】
4.ล้างหอยคอยอ้าย(ラーン・ホイ・コーイ・アーイ)
8.คิดว่ายังโสด(キット・ワー・ヤン・ソート)
今まで有りそうで無かったペットとモッデーンの競演。確か、これが初めてのはずです。
しかし、ペットが作る曲とモッデーンのキャラは相性が良いと思うので、今回のこの競演がモッデーンのソロにも発展すれば、面白くなると思いますね。
この2曲でも、モッデーンは若手ながら見事にその大役を果たしていると思います。
「ラーン・ホイ・コーイ・アーイ」では明るい表情を、「キット・ワー・ヤン・ソート」は影のある表情を上手く演じ分けていて、モッデーンの表現力の幅広さがうかがえる曲になっています。
◆เพชร สหรัตน์ feat.มดแดง จิราพร/ล้างหอยคอยอ้าย
◆เพชร สหรัตน์ feat.มดแดง จิราพร/คิดว่ายังโสด
【feat.ヌーイ・ワランヤー】
5.แก้ให้น้องแหน่(ゲー・ハイ・ノーン・ネー)
7.อ้ายสิถ่าเด้อหล่าเอ้ย(アーイ・シ・ター・ドゥー・ラー・ウーイ)
この5人の中ではまだまだ名前が知られていないと思うヌーイ・ワランヤーですが、彼女はペットが育てている若手歌手の中のひとりです。
キャリア的にも他の4人と比べたら浅い方ですが、存在感全然負けていないと思いますね。
若手らしい可愛らしい部分を持ちつつも、力強い声が印象的なヌーイです。
◆เพชร สหรัตน์ feat.เนย วรัญญา/แก้ให้น้องแหน่
◆เพชร สหรัตน์ feat.เนย วรัญญา/อ้ายสิถ่าเด้อหล่าเอ้ย
【feat.ボビー3.50&ヌム・ハヌマーン】
12.หมาหวงก้าง(マー・フアン・ガーン)
5人の女性歌手たちとのコラボ以外に、ボーナス・トラック的に男性歌手2人との競演曲も収録されています。
ボビー3.50はバンド「3.50(サーム・バート・ハーシップ)」のメンバー。3.50はヂェス・スプックニックの大ヒット曲「ウェン・フォー・ロー・フィアオ」を仕掛けたバンドでもあります。
ボビーはペットの曲「チェン・サイ・ソーン」のMVにも出演しています。
ヌム・ハヌマーンはお聴きの通り、ポンシット・カムピーのモノマネ歌手ですが、彼は単純にモノマネだけでは括れないセンスを持ち合わせていますね。
◆เพชร สหรัตน์ feat.บ๊อบบี้ วง3.50&หนุ่ม หนุมาน/หมาหวงก้าง
【ペット・サハラット】
1.แตกใน(テーク・ナイ)
13.ปล่อยน้ำใส่นาน้อง(プローイ・ナム・サイ・ナー・ノーン):เวอร์ซั่น ผู้ชาย(Male Version)
最後にアルバムの冒頭とラストに収められているペットのソロ曲ですが、「テーク・ナイ」はこのアルバムの裏テーマを象徴するような曲です。
というのも、このアルバムは単純に女性歌手とのコラボレーションというコンセプトだけでなく、もう一つのテーマがあるからです。
それは「男女の交わり」。「テーク・ナイ」とはタイ語で「中○し」を意味します。
またTr.3「プローイ・ナム・サイ・ナー・ノーン」は、直訳すると「あの娘の畑を水浸し」となりますし、Tr.4で連発されている「ホイ」という言葉は、一般的には「貝」という意味ですが、俗語では女性器も意味しています(歌詞も当然その意味で使われています)。
アルバムタイトル「マット・デット」も、一般的にはボクシングのチャンピオンなどに使われる、拳闘などが強いという意味ですが、ここでは「絶倫」という意味も含んでいると思います。
そういった裏テーマも知っておくと、このアルバムがさらに楽しめるのではないでしょうか。
またTr.13はプレーウプラーウとの競演曲の男性ソロヴァージョン。
ロック仕様にアレンジされていて、オリジナルに負けず劣らずのカッコよさです。
◆เพชร สหรัตน์/แตกใน
◆เพชร สหรัตน์/ปล่อยน้ำใส่นาน้อง
全収録曲見てきましたが、曲のヴァリエーションも豊富で、トータル性も高い、タイ音楽としては屈指のクオリティーを持つアルバムが完成したと思います。
このアルバムがあれば、しばらくは他のCDを聴かなくても良いほど(実際には無理なんだけど)の充実した作品になりました。
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