2016年12月31日土曜日

【ディスク・ライブラリー#15】ルークトゥン・プレーン・ヒット・ヘンピー2559・・・2016年をルークトゥンで振り返るMP3集

【Artist】รวมศิลปิน(Various Artist)

【Title】ลูกทุ่งเพลงฮิตแห่งปี2559(2016ルークトゥンヒット曲集)

【Release Date】17 พ.ย. 2559(2016年11月17日)




気がつけば2016年も終わりの日。1年が過ぎるのは早いものです。

今年も沢山のいい曲の出会えました。個人的なルークトゥン・モーラムのベスト10は、タイランドハイパーリンクスのコラムにアップさせてもらいました。

音楽天国タイランド「第30回 独断と偏見で選ぶ2016年ルークトゥン・モーラムの名曲10選」

毎年、年末になると各レコード会社からその年のヒット曲集がリリースされます。

Grammy Goldからは例年通り発売されましたが、R-Siamは盤面の製作をやめてしまったので、リリースされておりません。そんなんで良いんでしょうか?

Grammy Gold版はMP3とカラオケDVDという形態で発売されており、MP3は50曲入り、DVDは30曲入りという仕様になっています。

収録曲をざっと見てみると、Grammy Gold所属歌手だけでなく、Sure EntartainmentやChaophraya Records、そしてインディーズの歌手も含まれており、単にGrammy Goldのベスト集というだけでなく、2016年のルークトゥン・モーラムを俯瞰できる内容になっています。

ただ、全部が全部ヒットした曲という訳ではなく、実際にヒットした曲というのは少なく、その他はGrammy Goldから2016年にリリースされた曲の中から適当に選ばれているという感じで、決してルークトゥン・モーラムの最前線のドキュメントという訳ではありません。

収録曲の中で特に目を(耳を?)引くのは、やはりTr.2ゴン・フアイライ「サイ・ワー・シ・ボ・ティム・ガン」やTr.4アーム・チュティマー「アディート・クーイ・パン」といったインディーズの曲です。

YouTubeの再生回数で見てみると、これらのインディーズの曲はGrammy Goldからリリースされた曲を遥かに凌駕する再生回数を記録しています。今や時代は完全にインディーズだと言っても過言ではないほどです。


◆アーム・チュティマー/アディート・クーイ・パン@YESデパート前(2016年6月11日)



Grammy Gold所属以外の歌手で特に印象に残っているのは、Tr.10「グルアイ・クロンホイコーン/ヤーク・ミー・サーミー」です。

特に美人という訳ではないですが、独特のキャラと何より曲が良かったのが決めてでしたね。

オリジナル曲はまだ2曲しか作られていませんが、着実にヒットさせているので、3曲目も期待大です。


◆グルアイ・クロンホイコーン/ヤーク・ミー・サーミー@バンセーン・ビーチ(2016年4月16日)



グルアイと同じチャオプラヤー・レコーズ所属のバンド「PENTA」のTr.40「プート・トゥア・フェーン・マイ」も、個人的には気に入っています。

実力もあり、イサーンの空気がタップリ含まれた音楽を奏でる彼らは、他にはなかなかいないバンドではないでしょうか。

ただ、最近メインボーカルのボーイがソロ曲を発表したので、もしかしたらバンドでの活動は休止になってしまったのかもしれません。


◆PENTA/プート・トゥア・フェーン・マイ@Hug Concert 1(2016年7月24日)



また、Sureに戻って来たブンター・ムアンマイの曲Tr.15「ミー・コン・ローンハイ・ヤーム・アーイ・ゴート・カオ」は、このMP3を聴いて改めて彼女の魅力が分かった曲でもあります。

実は、ブンターに関しては以前から名前は知っていましたが、これっぽっちも興味がありませんでした。

なので、以前とどう変わったかは分かりませんが、彼女の哀愁を帯びた歌声は深く心に染み入りますね。


◆ブンター・ムアンマイ/ミー・コン・ローンハイ・ヤーム・アーイ・ゴート・カオ



肝心のGrammy Gold所属の歌手達ですが、意外に良かったのがインリーの2作目からの曲です(正確にあのアルバムは2015年のリリースなんですが)。

Tr.11「ヨーク・レーウ・バイバーイ」、Tr.31「フェーンマイ・ゴ・アオ、フェーンガオ・ゴ・ラック」、Tr.48「ムアライ・ヂャ・タム・ガップ・チャン・バーン」と3曲収録されていますが、あのアルバムはどうも興味が持てなくてスルーしていました。

しかし、しっかり音に向き合ってみると結構良い曲が揃っていますね。

最近はすっかりコンサートが無くなってしまったインリーですが、自分で曲を書ける才能もあり、最近は他の歌手にも曲を提供しているので、今後はその道でも活躍して行くのかもしれません。


◆インリー・シーヂュムポン/ムアライ・ヂャ・タム・ガップ・チャン・バーン



それと、Tr.50「ピー・サドゥー/マオ・レーウ・レッ」は、彼の特別アルバムに収録されている曲ですが、これもこのMP3を聴いてそのカッコよさに改めて気がついた曲です。

ダンスメドレーをコンセプトにしたこのアルバム。ピーのコンサートをそのままパッケージした雰囲気もありそうです。こちらも今まで買わずにいたので、早いところ買っておかないとですね。


◆ピー・サドゥー/メドレー・ノンストップ from アルバム「ラブート・ティン」



あと、最近モーラムのコンサートを観に行くと良く歌われている曲があって、何というタイトルなのか探していたのですが、それがTr.45「タオ・プーシン/オーム・ゴート・ケームラート」という曲でした。

作詞・作曲:ボーイ・ケームラート、編曲:サワット・サーラカームという、例のインリーの大ヒット曲を担当した二人ですが、あの曲とはだいぶ雰囲気が違っていて、イサーンの空気を思い起こさせる雄大な曲調が個人的にも大好きです。


◆タオ・プーシン/オーム・ゴート・ケームラート



他にもマイク・ピロムポン、ターイ・オラタイ、パイ・ポンサトン、ソーン&ドークオー&ガーントーン、アンクワン・ワランヤーからGrammy Gold所属の若手歌手まで、主要歌手の曲は一通り収録されているので、ルークトゥン入門者のサンプラーとしてもおススメできます。

2017年のルークトゥン・モーラムシーンはどうなるか、今のところは分かりませんが、メジャーとインディーの境界線は今以上になくなっていくような気はします。

今後もインディーズで作られヒットした曲を大手が買取る、という状況がますます加速して行くのではないでしょうか。

つまり、最前線はインディーズにあるという事です。

このブログ的には、その辺りも伝えていければと思っていますが、記事の比重はモーラム楽団に関する内容が多くなってくると思います。

今までこのジャンルの日本への情報が手付かずだったという事もありますし、タイ音楽の醍醐味はそこにあるという意味も含めて、今よりもさらに深い部分を伝えていければと思います。

なかなか更新頻度が上がりませんが、2017年もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

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