引き続き、タッサポーン・トーンヂャンを訪ねてローイエットへ行った時の話の続きです。
【ディープ・イサーン・ツアー#1】タッサポーン・トーンヂャンの故郷を訪ねて@ローイエット(1)
翌22日は朝8時にタッサポーンが車で僕を宿まで迎えに来てくれました(歌手に迎えに来させる素人って、どんな分際なんだかw)。
彼女の運転する車で早速バーンノーングンのバーン・トーンヂャンへと向かいます。
車の内ではこれからタムブンの事など話してくれたタッサポーンなんですが、その時歌を1曲聴かせてくれました。歌ってくれたのが、先日のプミポン国王に捧げる歌特集で取り上げたクルー・サラー作の曲「ラオ・スー・ラーン・ファン」でした。
たぶんこの歌をタッサポーンが人前で歌うのは初めてのはずです。しかも、聴いているのは自分ひとりという贅沢な状況。
さらに、朝早くに、しかも車を運転しながらにも関わらず、その歌声の良さと音の確かさに、彼女の歌唱力の高さを改めて実感しましたね。
◆ทัศพร ทองจันทร์(タッサポーン・トーンヂャン)/เล่าสู่หลานฟัง(ラオ・スー・ラーン・ファン)
ただ、裏話をしてしまうと、このアップした動画はテイク2でありまして、テイク1の方はちょっと上手くいかなかったので、撮り直しという事になりました。一応、この動画をアップする際は、タッサポーン自身に許可をもらっています。
宿からバーン・トーンヂャンがあるバーンノーングンまでは10~15分くらいだったでしょうか。到着して朝食をご馳走になっていると、まもなくタムブンするものを運び出す作業が始まりました。
沢山のものを皆で手際よく運び出します。しかし、枕がやたら沢山あるのは何故なんでしょうね。
◆カムグン・トーンヂャン先生の写真を持つサーティット・トーンヂャン
この日のセレモニーの意味は、実は僕もはっきり掴めていないのですが、カムグン先生に音楽を教わった歌手達が、その感謝をタムブンという形で恩返しするという事ではないのかと思います。
荷物を一通り運び出した一行は、その後は皆でお寺まで大行進となりました。
音楽一門のタムブンですので、当然ただ歩くだけではなく、ケーンをバックにサーティット・トーンヂャンとメーン・マニーワンが歌い、それにあわせて踊りながら移動するという、普段のコンサートでは味わえないスペシャルな空間が展開されていました。
しかし、写真や動画を見直してみると、みんな本当に楽しそうな笑顔をしていて、しんみりした雰囲気は微塵もありません。いかにもタイらしい光景でした。
◆バーン・トーンヂャンからお寺までの移動の様子
バーン・トーンヂャンから近くのお寺「ワット・サゲーオ(วัดสระแก้ว)」までは、普通に歩けば5分もかからない距離なのですが、そこを歌い踊りながらの移動だったので、15~20分くらいかけての移動でした。
到着すると、今度はタムブンの品を手際良く運び入れます。普段はのんびりしているタイ人ですが、こういう時の仕事の早さは見事です。
◆あのでっかい銅鑼も運び入れました。
タムブンの品を運び入れ終わりますと、僧侶の方々のありがたい説法と皆でお経を唱えます。
このお経(結構長い)はタイ語ではなくパーリ語をそのまま読み上げているのですが、みんな何も見ずにスラスラ言えるのですから大したものです。さすが仏教国タイ。
そして最後に、サーティット・トーンヂャンが立ち上がり、少し話をした後、モーラムを歌い始めました。
ステージで歌われるいわば「商品」としてのモーラムとは違い、生活に密着した、民俗音楽としてのモーラムに初めて触れることの出来た初めての瞬間でした。
◆サーティット・トーンヂャンによるモーラム
◆タムブンされた品々
◆サーティット・トーンヂャンとゴン・フアイライのプロデューサー、ゴップさん。ゴップさんもバーン・トーンヂャンと縁の深い人です。
セレモニーが終わった後は、皆、三々五々解散していきました。
自分もタッサポーンと一緒にだらだらとバーン・トーンヂャンに戻り、少し食事をご馳走になった後、バーン・トーンヂャンを後にしました。
ここに来る前までバーン・トーンヂャンという所は、「タッサポーンが歌を勉強した場所」くらいの認識しかなかったのですが、イサーン音楽の歴史において重要なポジションにいるサーティット・トーンヂャン、今やトップ歌手となったメーン・マニーワン、そしてタイの音楽界を席巻ゴン・フアイライを発掘したゴップさん、とルークトゥン・モーラム界に於けるトップ歌手を何人も輩出して来た名門である事を、この旅で初めて知りました。
そして、一門において大切なセレモニーに参加することが出来たのは、ルークトゥン・モーラムの一ファンとしては、とても貴重な経験となりました。
タッサポーンは日本で、居酒屋あいちゃんに来て、会いました。
返信削除ちょっと、売れたい売れたいと必死すぎて、ちょっと、だめだったな。
まあ、本当に必至だったのかもしれませんが・・・
まあ、ビリーは、男性歌手が大好きなのもありますが・・・
僕はそういう話を彼女から聞いたことは無いのですが、しっかりとした実力はあるので、来る時が来れば結果は出ると思います。
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