2016年10月25日火曜日

【次の世代へ歌い継ぎたい】ルークトゥン歌手達が歌う、亡きプミポン国王へ捧げる歌15選+スペシャル動画

◆ขอเป็นข้ารองพระบาททุกชาติไป(コー・ペン・カー・ローン・プラッバート・トゥック・チャート・パイ)=生まれ変わっても国王の元に生まれたい


10月13日の悲しみの知らせから約2週間ほど経ちましたが、未だ悲しみの空気がタイ全土を覆っています。

10月22日にはサナームルアン(王宮前広場)に約10万人の国民が集合しての大規模なプミポン国王追悼セレモニーが開催されました。


◆上空から見た10月22日のサナームルアンの様子


自分も最後のお別れをしに10月18日に王宮へ行きましたが、周辺は父の日の12月5日並に激渋滞。ワット・プラケーオからサナームルアンにかけては深夜まで多くの人が国王との別れを惜しむかのように残っておりました。


◆10月18日23時近くの王宮周辺の様子(撮影:筆者)


プミポン国王の死に悲しんでいるのは歌手達も同じです。

そして、彼らは歌う事が本業ですので、その悲しみを歌に託して、国王との別れを惜しんでいます。

そんな歌手達が歌った国王へ捧げる歌を、今回は集めてみました。

かなり沢山の数があって全部は拾いきれませんので、このブログの趣旨であるルークトゥン歌手が歌っているものに絞って、10月25日の時点で管理人が見つけた中から15曲をピックアップして紹介します。

また、同じ曲を複数の歌手が歌っていますので、曲数としては12曲になります。

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国王死去の知らせから、かなり早い段階で追悼の歌を公開したのはペット・サハラットでした。

この曲は早く作られたというだけでなく、個人的には数あるプミポン国王へ捧げる歌の中でも最高だと思っている名曲です。

ソングライティングのクオリティーの高さだけでなく、とても分かりやすい言葉を使うことにも配慮して作られていますし、バックトラックもしっかり仕上げられていて、仕事の早さにも関心してしまいます。

なお、宣伝になってしまいますが、この曲の訳詞をタイのポータルサイト「タイランドハイパーリンクス」で自分が寄稿しているコラム「音楽天国タイランド」にアップしてありますので、そちらもご覧いただければ幸いです。

◆音楽天国タイランド:第27回 プミポン国王に想いをはせる歌「ペット・サハラット/あなたを思うと涙が止まらない」


【1】เพชร สหรัตน์(ペット・サハラット)/น้ำตาไม่หยุดไหล ชาวไทยคิดถึงพ่อ(ナムター・マイ・ユット・ライ、チャウ・タイ・キットゥン・ポー)=あなたを思うと涙が止まらない



【1】の曲をペットの奥方であるタカテーンもカバーしています。

キーが違うせいも、ペットが歌うオリジナルとはまた違う雰囲気があります。さらにスライド写真が悲しみを増長させますね。


【2】ตั๊กแตน ชลดา(タカテーン・チョンラダー)/น้ำตาไม่หยุดไหล ชาวไทยคิดถึงพ่อ(ナムター・マイ・ユット・ライ、チャウ・タイ・キットゥン・ポー)



次の曲は追悼の意味が込められている訳ではなく、国王の容態悪化が伝えられていた頃に励ます意味で作られた曲です。

ですので、ここにまとめた他の曲とはかなり雰囲気が違うのですが、グー・ケーンらしい独特の国王への愛情表現で、個人的には結構好きです。


【3】กู่แคน School(グー・ケーンSchool)/จอมใจแห่งแผ่นดิน(ヂョームヂャイ・ヘン・ペンディン)=大地に愛された人



モッデーン・ヂラーポンも、いち早く追悼の歌に着手した歌手の1人です。

彼女は自身のアルバムでもプミポン国王へ捧げる歌を歌っているという事もあって、国王への愛情を感じさせる1曲に仕上がっていると思います。

一緒に歌っているのはシアン・イサーンのカムモート・ポンクンデートです。


【4】มดแดง จิราพร(モッデーン・ヂラーポン)feat.คำมอส พรขุนเดช(カムモート・ポンクンデート)/ขอเป็นข้ารองบาททุกชาติไป(コー・ペン・カー・ローン・プラッバート・トゥック・チャート・パイ)=生まれ変わっても国王の元に生まれたい



ここ最近あまり接する機会がすくなくなっていたダーオ・チャリターですが、彼女もやはり国王の死を悲しんでいる歌手の1人です。

この曲は国王の追悼歌というだけでなく、ダーオにとっても久々の新曲になりました。

こうして改めて彼女の歌をじっくり聴いてみると、やはり逸材だという事を実感させられますね。


【5】ดาว ชลิตา(ダーオ・チャリター)/อาลัยพ่อหลวง(アーライ・ポー・ルアン)=国民の父を偲ぶ



モーラム兄貴、マイタイ・フアヂャイシンも国王へ捧げる歌を歌ってくれています。

哀愁を帯びたマイタイの歌声が、悲しみを物語っているようです。


【6】ไหมไทย หัวใจศิลป์(マイタイ・フアヂャイシン)/เรื่องเล่าของพ่อ(ルアン・ラオ・コーン・ポー)=父にまつわる話



続いてはチャルームポン・マーラーカム先生がロム・ローン・スタイルで、タイ人にとっての大切な存在をなくしてしまった悲しみを歌ってくれています。


【7】เฉลิมพล มาลาคำ(チャルームポン・マーラーカム)/แผ่นดินร้องไห้อาลัยพ่อหลวง(ペンディン・ローンハイ・アーライ・ポー・ルアン)=国王を亡くし大地が泣いている



トップラインの若手歌手筆頭のナンシーは、中部タイ出身らしい正統派ルークトゥンスタイルで、国王を偲んでいます。


【8】แนนซี่ ท็อปไลน์(ナンシー・トップライン)/เพื่อพ่อหลวงไทย(プア・ポー・ルアン・タイ)



次も正統派スタイルですが、最近はこの手の曲を歌わなくなった人ですので、新鮮な印象を受けますね。


【9】กระแต(クラテーR-Siam)/ใต้ร่มพระบารมี(タイ・ロム・プラバーラミー)=国王陛下の翼の下で



ほとんどの追悼曲はプミポン国王を「父」として例えていますが、こちらのグン・スティラートの曲は国王を「英雄」として例えている点で、他の曲とは若干違ったアプローチをしています。

アレンジはいたって正統派ですが。


【10】กุ้ง สุธิราช(グン・スティラート)/ฮีโร่(HERO)



カヴァーしている歌手がダントツに多いのが、次のクルー・サラーが作った曲ではないでしょうか。

すでにターイ・オラタイ、マイムアン、カーオティップ・ティダーディンなどのヴァージョンが作られていますが、これからもGrammy Goldの歌手を中心にカヴァー曲がどんどん発表されると思います。

全部のカヴァーを取り上げるスペースはないので、ここでは現在若手歌手の中でも特に注目されている、ポピー・プラッチャヤーラックのカヴァーをピックアップしました。


【11】สลา คุณวุฒิ(サラー・クンナウット)/เล่าสู่หลานฟัง(ラオ・スー・ラーン・ファン)=孫の代まで語り継ぐ



【12】ป๊อปปี้ ปรัชญาลักษณ์(ポピー・プラチャヤーラック) /เล่าสู่หลานฟัง(ラオ・スー・ラーン・ファン)



それと、この「ラオ・スー・ラーン・ファン」のカヴァーの中で個人的に好きなのが、ヌット・プラトゥムトーンのヴァージョンです。

イサーンらしいケーンをフューチャーしたアレンジと、丁寧に作られたMVが印象的です。


【13】น้องนุช ประทุมทอง นิลวัน(ヌット・プラトゥムトーン)/เล่าสู่หลานฟัง(ラオ・スー・ラーン・ファン)



最後の2曲は、このプミポン国王追悼曲の中でも極めつけといっても過言ではないでしょう。

まずはルークトゥンの伝説的歌手達が勢ぞろいして、レーで国王を追悼しています。

参加しているのはチャーイ・ムアンシン、ワイポット・ペットスパン、スナーリー・ラーチャシーマー、クワンヂット・シープラヂャン、シリントラー・ニヤーゴン、カッタリヤー・マーラシー、トサポーン・ヒマパン、ブントーン・コンヌム、などなどです。

スケールの大きさは他の追随を許さないレベルですし、数々の曲の中でも最もタイらしい雰囲気を感じさせる曲になっていると思います。


【14】V.A./เพลงแหล่เฉลิมพระเกียรติ ราชาแห่งราชัญ(プレーン・レー・チャルーム・プラギアット:ラーチャー・ヘン・ラーチャン)=タイ音楽界最高峰の歌手達によるレー:王の中の王



そして、こちらもタイ音楽界の最高峰による、プミポン国王を偲ぶ歌です。

歌っているのは人間国宝のチャウィーワン・ダムヌーン。日本の民俗音楽シリーズでモーラムと言えば、大抵この人が歌っているというくらい、日本人にとっても良く知られた存在の人です。

チャルームポン先生と同じくラム・ローンのスタイルで、国王への思いを切々と歌っています。

歌い始めてからしばらくして、徐々に声が震えだしてしまうチャウィワーンですが、途中でとうとう涙を堪えきれず、マイクの前から離れてしまう場面が印象的です。


【15】ฉวีวรรณ ดำเนิน(チャウィーワン・ダムヌーン)/ลำอาลัยพ่อหลวงของปวงชนชาวไทย(ラム・アーライ・ポールアン・コーン・プアン・チョン・チャウタイ)=タイ全国民の国王を偲ぶラム



ラストにオマケのスペシャル動画を一つ。

こちらはタッサポーン・トーンヂャンがクルー・サラーの曲を歌っている動画なんですが、これは当ブログ管理人である自分が撮影しました。

先日、ローイエットにタッサポーンを訪ねて行った時に、彼女が車の中で歌ってくれたものを撮影したものです。

運転しながら歌っているものの、さすがの実力の持ち主。沢山あるこの曲の中でも、ぶっちゃけダントツに良いと思います。

自分の為だけに歌ってくれているという意味でも、スペシャルな動画です。


【Bonus Track】ทัศพร ทองจันทร์(タッサポーン・トーンヂャン)/เล่าสู่หลานฟัง(ラオ・スー・ラーン・ファン)



と、一気に15曲(ボーナス・トラックを含めると16曲)を取り上げましたが、プミポン国王を偲ぶ歌はもちろんこんなものではありません。

他にも沢山ありますし、これからもまだまだ作られるでしょう。

プミポン国王という存在は、まさにタイ人の心そのものという事が、ここからも充分感じ取れるのではないかと思います。


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