【Title】๙ สิงหา ผู้บ่าวดาวเทียม(9 シンハー、プー・バウ・ダーオ・ティアム)
【Release Date】ธ.ค. 2558(2015年12月)
1.ผู้บ่าวดาวเทียม
2.แช่งใส่ซอง
3.บักขี้เหล้า
4.แสลงใจ(ร้องคู่ เนย วรัญญา)
5.ก้อนคำ
6.เรืองเศร้าเช้านี้
7.แคร์เขาเจ้ากะไป
8.อยู่กับเขาอย่าเอาแต่ใจ
9.บักจัณฑาล
10.มนต์ฮักสาวลาว
今はタイに住んで、ルークトゥン・モーラムのコンサートをメインに、日々タイ音楽に接していますが、ことCDなどのパッケージものにおいては、繰り返し聴いているものは少ないです。
それは、タイではルークトゥン・モーラムだけでなく、ポップス・ロックを含めて、アルバムを一つのストーリー性のある作品として意識して作られているものがほとんど無いからです。
単純に曲を詰め込んでいるだけで、オープニングからラストまでの流れや、前後の曲との関係などを考えて配置しているアルバムにはほとんどお目にかかったことがありません。
しかし、その認識を覆してくれたのが、このペット・サハラットのアルバムです。
疾走感のあるオープニングから感動的なラストの曲まで、全体的な流れも意識されていますし、曲順やアレンジのヴァリエーションなどにも気を配っていて、一つの作品として、これまで自分が聴いた事のあるタイのアルバムとしては突出した完成度の高さを誇っています。
実は自分は、今までペット・サハラットはイマイチ苦手でした。
歌手としてだけでなく、数々のヒット曲を送り出したクリエーターとして、現在のルークトゥン・モーラム界において重要なキーパーソンとしては充分理解してはいるものの、歌手としてはどうも今ひとつのめり込めませんでした。
その意識を180度変えてくれたのが、Tr.1のアルバムタイトル曲「プー・バウ・ダーオ・ティアム(偽りの星の王子様)」という曲でした。
この最高にカッコイイ曲で、ようやくペットの魅力に気が付く事が出来ました。
◆ผู้บ่าวดาวเทียม(プー・バウ・ダーオ・ティアム)
1曲目でリスナーの意識をつかんだ所での2曲目は、このアルバムのリード曲となった大ヒット曲「チェン・サイ・ソーン(イサーン的発音だとセン・サイ・ソーンに聞こえます)」。
「アーイ・ターイ・シ・ハイ・ナム・ボ」が大ヒットした後もコンスタントに、ヒット曲を出し続けるペット。
今やコンサートには欠かせなくなったこの曲は、「アーイ・ターイ・・・」とは曲調がだいぶ違うものの、媚びることなくタイのリスナーの心をつかむ事に成功しています。
そして、それは彼にはクリエーターとしての才能があるということの証拠だと思います。
◆แช่งใส่ซอง(チェン・サイ・ソーン)
アップテンポの曲が2曲続いた所で、その後はスローの曲2曲でリスナーをクールダウンさせます。
と言っても、Tr.3「バッ・キー・ラオ(酔いどれ野郎)」とTr.4「サレーン・ヂャイ」、共に捨て曲でもなんでもなく、ペットのメロディーメイカーとしてのセンスが光る2曲です。
「サレーン・ヂャイ」でペットとデュエットしているのは、彼の教え子であるヌーイ・ワランヤーです。
◆แสลงใจ(サレーン・ヂャイ)
そしてTr.5「ゴーン・カム」ではレゲエを取り入れたアレンジの曲を配置して、場面転換をしています。
MVもユニークなこの曲。クネクネした踊りをしているのは、ピー・サドゥーの曲「ヌアイ・マイ・クラップ・ピーノーン(เหนื่อยไหมครับพี่น้อง)」のMVでも踊っていた彼です。
ピーの曲よりも、このペットのMVの方がダンサー君の魅力が良く出ているかも。
◆ก้อนคำ(ゴーン・カム)
アナログ盤だとB面の1曲目に当たるTr.6「ルアン・サオ・チャオ・ニー」と、次の曲Tr.7「ケー・カオ・ヂャオ・ガ・パイ」は再びスローの曲ですが、Tr.5で場面転換をしているので、だれることなく聴けます。
ちなみにMVでは、この2曲は続きもののストーリーになっています。
そしてTr.8「ユー・ガップ・カオ・ヤー・アオ・テーヂャイ」では、またもや雰囲気が変わってモーラム・マナーのアレンジの曲です。
7曲目までは何の予備知識も無ければ、ポップス系のアルバムとしても聴けてしまうくらいですが、ここでようやくルークトゥン・モーラム歌手としてのペット・サハラットを聴く事が出来ます。
◆อยู่กับเขาอย่าเอาแต่ใจ(ユー・ガップ・カオ・ヤー・アオ・テーヂャイ)
Tr.9「バック・ヂャンターン(世捨て人)」ではホームレスの悲哀を歌っています。
しかし、決して悲しいばかりではなく、そこはユーモアも交えて、カラッとさわやかに。
そして、このアルバムの白眉ともいえるTr.10「モン・ハック・サーオ・ラオ(魅惑のラオスの女性たち)」で感動のラストです。
ラオスへの愛を歌ったこの曲。
イサーンとラオスとの強いつながりを感じさせる、スケールの大きな曲でこのアルバムは締めくくられています。
◆มนต์ฮักสาวลาว(モン・ハック・サーオ・ラオ)
このアルバムが完成度の高い作品になったのは、ペットの歌手・プロデューサーとしての才能だけでなく、2人のアレンジャー(SAM、テーク・コンサーン)の存在も大きいです。
彼らの尽力なくして、このアルバムは成り立たなかったでしょう。
CDリリース量が減少する一方のタイで、しかもルークトゥン・モーラムのジャンルからこのようなクオリティーの高いアルバムが作られたのは、一言で奇跡とも言える出来事です。
そして、このアルバムが今後ルークトゥン・モーラムには多大な影響を与える事は、想像に難くありません。
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