2016年11月12日土曜日

【プミポン国王に捧げる歌#2】ラムローンによるプミポン国王葬送曲集10選

◆沢山出版されているプミポン国王の本の内の2冊。バンコクポスト(左)とサヤーム・ダーラー出版のもの。


2週間ほど前にも同じテーマで投稿しましたプミポン国王を偲ぶ歌ですが、その後も続々公開され、とても全部を拾いきれないほどの数になっています。

ですので、せめてもう1回はまとめておかなければという状況になってきましたのですが、しつこいようですが、今回もプミポン国王に捧げる歌特集です。

ただ、漠然と色んな歌手の歌を取り上げても脳が無いので、このブログらしくモーラムに絞って選びました。

ここで取り上げるイサーンの歌手達が歌っているのはラムローン(ลำล่อง)というモーラムのスタイルの一つです。

このラムローンは基本的にケーン1本のみをバックに歌われる、伝統的なモーラムのスタイルです。

モーラムと一言に言っても様々なスタイルがありまして、その中にラムグローン(ลำกลอง)という、こちらもケーンと歌のみの伝統的スタイルもあるのですが、そのラムグローンとラムローンが具体的にどう違うのかまでは、残念ながら追い込めませんでした。その辺は追々明確にしていきたいと思います。

まず1曲目はイサーンの音楽的遺産としても認定されている、ブンチュワン・デンドゥアン師です。

チャウィーワン・ダムヌーンなどとも同じ世代の方だと思いますが、ハリのある声が素晴らしい、迫力のあるラムローンです。


1.ブンチュワン・デンドゥアン/ラムローン:サデーン・クワーム・アーライ



続きまして、こちらもモーラム歌手としては伝説的存在のアンカナーン・クンチャイによるラムローンです。先日、日本にも行って歌っていたので、彼女の名前を知っている方は多いのではないでしょうか。

そのアンカナーンによるラムローンは2曲公開されていますが、これが凄い!なんと咽び泣きまで歌に取り入れています。

先の当ブログでの特集で取り上げたチャウィーワン・ダムヌーンの曲では、涙を堪えきれなくなったチャウィーワンはマイクから外れていましたが、それを歌の1部にしてしまっているのは、沢山あるプミポン国王追悼曲の中では、このアンカナーン1人だけではないでしょうか。


2.アンカナーン・クンチャイ/ラムローン:アーライ・ポールアン Part1



3.アンカナーン・クンチャイ/ラムローン:アーライ・ポールアン Part2



次の曲はモーラム歌手3人による歌ですが、この3人に関しては知識不足で詳しい事は分かりません。

しかし、文句なく素晴らしいモーラムで、改めてイサーン音楽の奥深さ・素晴らしさを感じさせてくれます。

歌っているのはガルッサナー・ブンセーン(真ん中)、チンゴン・ブンセーン(向かって右)、ヂャムノン・ラーチャー(向かって左)です。


4.ガルッサナー・ブンセーン、チンゴン・ブンセーン、ヂャムノン・ラーチャー/ラムローン:アーライ・ポールアン



次の歌手は改めて説明するまでもないでしょう。R-Siamのメーン・マニーワンです。

彼はR-Siamからの1stアルバムでも、このラムローンスタイルの曲を入れていました。

ヒット曲はポップなスタイルですが、伝統的なモーラムにこそ彼のルーツがあると言っても過言ではないでしょう。


5.メーン・マニーワン/シアン・ニー・ヂャーク・トゥリー・プラバート(国王の足跡から届いたこの声)



続いての歌手は当ブログ初登場、ラムシン歌手のヂャールワン・シアンラカントーンです。

彼女については、自分は1年前にライブDVDを買ってそれを楽しんでいたのですが、残念ながら生のステージはまだ観た事がありません。全くと言っていいほどバンコクには来ない人なので(拠点はマハーサーラカームのようです)。

そのDVDを観ていた時から思っていたのですが、やはり彼女はかなり実力の持ち主です。線は細いながらも存在感のある歌は素晴らしいの一言です。


6.ヂャールワン・シアンラカントーン/ラムローン:サデーン・クワーム・アーライ・ナイルアン



次の歌手も当ブログ初登場の人なのですが、彼女に関しては自分もこのプミポン国王の関連の歌を探している時に見つけた1人です。

名前はクリーム・スダーラット。彼女はまだ学生のようなので、歌手としての活動はどれくらいしているか分かりませんが、オリジナル曲も作られていて、これがまた素晴らしいのです。

しかも、若いのにこのラムローンという伝統スタイルも歌いこなせるなんて、おじさんの心を鷲掴みです。


7.クリーム・スダーラット/ラムローン:ホン・ハイ・アーライ・ポー



こちらも注目の若手の1人と言えます、ウィアン・ノルモンによるプミポン国王を偲ぶラムローンです。

ウィアンは既にGrammy Goldとも契約しているので、近いうちにグラミーからも曲がリリースされるのではないでしょうか。

独特の色気のある、やわらかい声が特徴の彼女。モーラムの素養もしっかりあるようで、将来が楽しみな歌手の1人です。


8.ウィアン・ノルモン/タワーイ・アーライ・ポールアン



続いては、モーラム楽団「ヌーパーン・ウィセートシン(หนูภารวิเศษศิลป์)」所属の歌手、プレーワー・ガーラシンのラムローンです。

こちらも恥ずかしながら今回初めて知った人なので、詳しい事は分かりませんが、舞台で鍛え上げられたと思われる声が素晴らしいですね。

ヌーパーン・・・、バンコクに来たら絶対観に行きたいと思います。


9.プレーワー・ガーラシン/ラムローン:トンファー・イェン・サルア・サオ、アーライ・ポールアン・ラッチャガーン・ティー9・コーン・ペンディン



最後に、こちらも今回のテーマ関連曲を探している中で見つけた人で、凄く気に入った歌手の1人です。名前はチャラートノーイ・ソンスーム先生。

と、そんな言い方はとんでもなく失礼な、なんとチャウィーワンやケーン・ダーラオと同じ、人間国宝の方です。

実はシリポーンのアルバムにも参加した事のある人なので、自分は既に知っていなければならない存在なのですが、今頃になってこの人の凄さにようやく気が付いた、と言う訳です。

さすがの人間国宝、非の打ち所がないモーラムです。


10.チャラートノーイ・ソンスーム/ラムローン・ヤーオ:ペンディン・ホン・ハイ、アーライ・ポー・ルアン



たぶん、この後もどんどんプミポン国王追悼曲は作られるでしょう。

タイ人にとっては、プミポン国王という存在はそれほどまでに大切な存在だったという事の証拠です。

肉体は消えても、歌という形で、プミポン国王はタイの人々の心の中に永遠に生き続けていくでしょう。

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