2016年7月17日日曜日

【魅惑のラムシン・ワールド#1】チェリー・インコンサート:セクシーもユーモアもこなすウボンのラムシン・ヒロイン

◆เชอร์รี่อินคอนเสิร์ต(チェリー・インコンサート)

これから、日本人にはまだまだ知られていない「ラムシン(ลำซิ่ง)」という音楽についてスポットを当てて、少しずつ紹介して行きたいと思います。

そんな訳で、今回はラムシンの本場イサーンで観て来たライブのリポートです。

先日、少しまとまった休みが取れましたので、それを利用して、かねてからの念願だったイサーン巡りをして来ました。ただ、今回は3泊5日という短いスケジュールだったので、シーサケートとウボンラーチャターニーだけにとどまりましたが。

この旅の目的はいくつかありましたが、一番大きな目的はやはりコンサートを観る事。と言っても、そのコンサートがバンコクで観られるようなものでは意味がありません。

出発前に自分の日程に合うコンサートを探していたところ、前々から観たいと思っていた歌手のコンサートを見つけました。

それが今回取り上げるチェリー・インコンサートです。

彼女はウボンラーチャターニーを活動の拠点にしていて、バンコクに来たことが無い訳ではありませんが、滅多に来ません(実は2015年12月に来ていたが、見事に見逃してしまった^^;)。

いつ来るのか、いつ来るのかと小まめに情報を探してはいましたが、なかなかその兆候も無かったので、それなら会いに行ってしまえ!という事で、彼女のコンサート・スケジュールを確認した所、上手い具合に自分の旅行日程に合う情報がありましたので、それに合わせて滞在場所などを決めていきました。

しかし、事前の情報では7月9日にシーサケートのクカンという所にあるトヨタのショールーム前で歌うという事だったので、シーサケートに宿を取ったのですが、いざバスに乗り込んだ後で、同じ日にウボンのFighter Jet Water Parkという所でもコンサートがあるという情報が入って来ました。

◆チェリー・インコンサート@Fighter Jet Water Park(2016年7月9日)


クカンでのライブは車のショールームですから、高い確率で昼間のイベントです。なのに、ウボンの方も時間が昼間になっています。という事はどっちかがキャンセルの可能性があります。

9日の宿をシーサケートに取ってしまったものの、移動できない距離ではありませんので、確実な方に行こうという事で、昼頃にウボンに到着するようにシーサケートを出発しました。

ただ、結果的にはクカンと掛け持ちだったという事で、分かっていれば両方行けたのですが、気がついたのがウボンに到着してからだったので、既に後の祭りでした。

会場であるFighter Jet Water Park(とカッコよさげな名前が付けられていますが、実の所は巨大なビニール風船のプールがあるだけの子供向け遊戯施設)はウボンのバスターミナルからそれほど遠くない場所にあったのですが、周りには大した物が何もない場所でした。

◆Fighter Jet Water Park

そこにポツンと立てられた舞台。こんな所にラムシンを観に来る人が来るんでしょうか?

◆ステージとチェリーの舞台搬送用トラック



告知には12:00~17:00と書かれていますが、5時間もやる訳ないことは重々分かっているものの、出来るだけ余裕を持って出発しましたが、到着するのが早すぎました(笑)。周りに何かあれば、時間のつぶしようがあったのですが、先に書いた通りですので、もうただひたすら炎天下の中を待つしかありませんでした。

しかし、そんな中リハーサルをしていたバンドの演奏を聴いていたのですが、これが素晴らしかった!やはりラムシンの本場、クオリティーが違います。

もちろん、バンコクに来ているトップクラスの楽団も文句なく素晴らしい技量を持っているのですが、空気が違うということもあって、リハを聴いただけで感動してしまいましたね。

少しだけ動画を撮っておきましたので、貼っておきます。

◆チェリー・インコンサート、バンド・リハーサル


コンサートは2時頃ようやくスタート。ステージにはこの日のチェリーの相方を務めるグライソン・トンゲーウ(ไกรศร ต้นแก้ว)が登場しましたが、チェリーとダンサー一行は、まだ1ヶ所目のクカンからウボンの会場に向かっている途中でした。

ステージが始まるまで客席には自分と数人が居ただけだったのですが、音が鳴り出してようやくわらわらと人が集まり始めました。

チェリー達も3時頃ようやく会場に到着。3時半過ぎにいよいよ彼女たちの出番となりました。

◆チェリー・インコンサート



チェリーのライブは最近DVDも発売されたので、そちらでも観られるのですが、そのDVDは正味30分の収録時間しかなくて、コンサート全体がどのようなものなのかまでは分かりませんでした。なので、やはり実際生で観てみなければという事で、わざわざウボンまで来たわけです。

◆EVSからリリースされたチェリー・インコンサートのDVD


チェリーのライブの特徴はいくつかありますが、ひとつには定番曲でも独特のアレンジをしているという所です。

この日も「サーオ・ルーイ・ヤン・ロー」という定番曲を歌っていましたが、かなりユニークなアレンジになっていました(残念ながら動画は撮りそこなってしまいましたが)。何度も聴いているこの曲ですが、こういう解釈を聴いたのはチェリーが初めてでしたね。

そして、もうひとつ特徴はダンサー達とのやり取りがあります。

チェリーのコンサートには必ずと言って良いほど、妹ベリーがリーダーを務めるダンス・チームが着くのですが、姉妹ならではの息が合ったやり取りが、彼女のステージの最大の見所であるともいえます。

◆ベリーとダンサー達



普通ダンサーは歌手を引き立てる立場ですので、決して対等とは言えませんが、ベリーはチェリーと姉妹というだけあって、ほぼ対等と思える存在感を放っています。

しかも、無茶な事をさせるチェリーに怒って「あんたもやってみなさいよ!」などと指示をだしたり。このやり取りはDVDでも観られますが、生で観てみるとやはり面白いです。

◆チェリー・インコンサート@Fighter Jet Water Park-1(2016年7月9日)



さらに、やたらと早いテンポで歌うのも得意です。モッデーンの大ヒット曲「サーオ・カーイ・ウィー」もこんなに早いテンポで歌っているのはチェリーくらいでしょう。

もともとラムシンの「シン」は英語のレーシングから来ていて、「高速モーラム」を意味するので、テンポが早いのは当然かもしれませんが、これだけ早いと歌うのも踊るのも大変ですよね。

ちなみに、ダンサーのベリーはモッデーンがイサーンでライブをする時にバックを務めたりするので、この本物仕込みです。

◆チェリー・インコンサート/サーオ・カーイ・ウィー@Fighter Jet Water Park-2(2016年7月9日)



この日は現在大ヒット中のグン・スパーポンの曲「シ・ヒ・ノーン・ボ」も披露。

イサーンで初めて聴くこの曲でしたが、やはりヒット中ということもあって客もなかなか良い反応をしていました。


◆チェリー・インコンサート/シ・ヒ・ノーン・ボ@Fighter Jet Water Park-2(2016年7月9日)


歌的には普通かもしれませんが、ダンサー達と作り上げる一体感のあるステージというのはチェリーならではものだと、コンサートを最初から最後まで観て、そう感じさせられました。

昼間の、しかも子供の遊戯施設の前でのコンサートという、通常ラムシン・コンサートとはだいぶ違うシチュエーションでしたが、やはり本場で聴くラムシンはバンコクで聴くのとは一味も二味も違うと思わされた、今回のイサーンでのラムシン初体験でした。

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